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    <野生>のプロジェクトマネジメント――レヴィ=ストロースの哲学からプロジェクトマネジメントを問い直す

    従(cong)来、対面でのミーティングが当(dang)たり前だった時代には、物理(li)的に移(yi)動する時間(jian)(jian)があり、それによって、ある程度(du)「ミーティングではない時間(jian)(jian)」も存(cun)在していました。しかしリモートワークが普及する中(zhong)で、「1日中(zhong)隙(xi)間(jian)(jian)なくミーティングが入ってしまっている」という方(fang)も数多くいらっしゃるかと思(si)います。

    このような状況(kuang)は、たしかに「合理的」な側面はあり、私も日(ri)々、スピーディーに多くのミーティングを行(xing)えることの恩恵を感(gan)じています。ただ一方で、1時間(jian)ごとの枠の中で議題を対処するばかりで、「十分に会話を行(xing)えていないのではないか?」と感(gan)じることも少なくありません。

    かつて、民族学(xue)者の宮本常一が書いた有名な話に「寄り合い」があります。

    私にはこの寄りあいの情景が眼の底にしみついた。(略)昔は腹がへったら家へたべにかえるというのでなく、家から誰かが弁当をもって来たものだそうで、それをたべて話をつづけ、夜になって話がきれないとその場へ寝る者もあり、おきて話して夜を明かす者もあり、結論がでるまでそれがつづいたそうである。といっても三日でたいていのむずかしい話もかたがついたという。気の長い話だが、とにかく無理はしなかった。みんなが納得のいくまではなしあった。だから結論が出ると、それはキチンと守らねばならなかった。

    (宮本(ben)(ben)常一『忘れられた日本(ben)(ben)人(ren)』p16)

    時(shi)間やスピードを重(zhong)視する現(xian)代(dai)(dai)(dai)社会の感覚から言(yan)えば、これは現(xian)実的(de)なことではありません。では時(shi)間が許(xu)せば、このようなアプローチを取るべきだと考えるでしょうか。寄り合いで行(xing)われているコミュニケーション形態(tai)が、現(xian)代(dai)(dai)(dai)のプロジェクトやプロジェクトマネジメントにおいて持つ意味(wei)は何(he)でしょうか。宮本がこれを書いたのは1950年(nian)代(dai)(dai)(dai)後半ですが、その時(shi)から60年(nian)以上たった現(xian)代(dai)(dai)(dai)においてこそ、再(zai)考しなければならない論点(dian)を提示してくれているように思(si)います。

    この記事では、上(shang)記の問題(ti)意識から、プロジェクトマネジメントを他(ta)者のメガネ・視座を借りて見つめ直(zhi)し、プロジェクトを進めるにあたって重要なのは何かを問い直(zhi)したいと考(kao)えています。そのメガネとして用いるのは、宮本と同じ民族学者である「レヴィ=ストロース」です。

    レヴィ=ストロースとは

    レヴィ=ストロースは1908年生まれのフランスの文(wen)化(hua)人類学者(zhe)で、「構造主義」という考(kao)え方の創始(shi)者(zhe)です。

    レヴィ=ストロースによれば、「構造(zao)(zao)」は「要素(su)と要素(su)間の関係(xi)とからなる全(quan)体であって、この関係(xi)は、一連の変形過程を通じて不変の特(te)性を保持する」ものであるとされています(レヴィ=ストロース『構造(zao)(zao)・神話・労(lao)働』、p37)。この定義(yi)を読むと非常に難しい概念(nian)ですが、レヴィ=ストロースは同時に、構造(zao)(zao)主(zhu)義(yi)を「問(wen)題(ti)に注目(mu)し、接近し、これを取(qu)り扱う際の、特(te)定の仕方」である「ひとつの認識(shi)論(lun)的態度(du)」とも言っています(前掲書、p37)。構造(zao)(zao)/構造(zao)(zao)主(zhu)義(yi)については、別の記事であらためて詳細(xi)を検討したいと思(si)いますが、レヴィ=ストロースは、このような「態度(du)」からブラジルの先(xian)住民族(zu)などを調査(cha)し、社会の「構造(zao)(zao)」を明らかにしてきました。

    その際の重(zhong)要なスタンスが、彼(bi)の書(shu)籍のタイトルにもなっている『野生(sheng)の思考(kao)(kao)』です。彼(bi)は、先住民族の知(zhi)識(shi)や文化が、私たちが持つ科学(xue)的な知(zhi)識(shi)と同(tong)等の重(zhong)要性を持つと考(kao)(kao)えていました。この点が今回、レヴィ=ストロースを通じて、プロジェクトマネジメントを見つめ直したいと考(kao)(kao)えた理(li)由(you)であり、本(ben)記(ji)事のタイトルを「<野生(sheng)>のプロジェクトマネジメント」としている理(li)由(you)です。

    私にとって「野生の思考」とは、野蛮人の思考でもなければ未開人類もしくは原始人類の思考でもない。
    効率を高めるために栽培種化されたり家畜化された思考とは異なる、野生状態の思考である。

    (レヴィ=ストロース『野生の思考』p262)

    神話や儀礼は、しばしば主張されたように、現実に背を向けた「架構機能」の創り出したものではなくて、それらの主要な価値は、かつてある種のタイプの発見にぴったり適合していた(そしておそらく現在もなお適合している)観察と施策の処刑式のなごりを現在まで保存していることである。(略)このような具体の科学の成果は、本質的に、精密科学自然科学のもたらすべき成果とはことなるものに限られざるを得なかった。
    しかしながら具体の科学は、近代科学と同様に学問的である。その結果の真実性においても違いはない。精密自然科学より一万年も前に確立したその成果は、依然としてわれわれの文明の基層をなしているのである。

    (レヴィ=ストロース『野生の思(si)考』p21-22)

    なぜ、レヴィ=ストロースなのか?

    なぜ、レヴィ=ストロースを通じて、プロジェクトマネジメントを考えるのか。

    その理由は、1つには、プロジェクトマネジメントが前提(ti)とする現代社会の常(chang)識や価(jia)値観から離れた視点(dian)を持ってプロジェクトマネジメントを見つめ直(zhi)してみたいということ、もう1つは、レヴィ=ストロースが提(ti)唱(chang)した各(ge)種の概念(nian)が、プロジェクトを進(jin)める上で非(fei)常(chang)に重要なヒントを与えてくれているのではないかということです。

    レヴィ=ストロースの思考スタイルや生み出された概念を借りて、プロジェクトマネジメントを考えてみる

    前述の「構造(zao)主義(yi)」「野生の思考」だけではなく、そのときそのときの限られた道具と材料の集合でなんとかしようとする「ブリコラージュ」や、「贈与・互酬性」――それによって、コミュニティの構造(zao)が維(wei)持される――などの概念(nian)は、「プロジェクトマネジメント」のあり方のみならず、さらにそのプロジェクトが行われる環(huan)境/場(chang)である「組織(zhi)」のあり方を考える上で、重要な視(shi)点を与えてくれているように思います。

    本テーマは今後何回かの連(lian)載記(ji)事となる予定(ding)ですが、上記(ji)のようなレヴィ=ストロースが提示(shi)したいくつかの概念を参照しながら、プロジェクトやプロジェクトマネジメントについて考えていきたいと思います。

    参考文献

    • クロード・レヴィ=ストロース. 構造・神話・労働―クロード・レヴィ=ストロース日本講演集. みすず書房.
    • クロード・レヴィ=ストロース. 野生の思考. みすず書房.
    • 宮本常一. 忘れられた日本人. 岩波書店.


    執筆者 米山知宏(よねやま・ともひろ)( / )
    プロジェクトファシリテーター、プロジェクトコンサルタント。 プロジェクト・組織の推進をプロジェクトマネージャーとして関わりながら、プロジェクト・組織の未来に必要なナレッジ・知を言語化するサポートをしています。 対象分野は民間企業のDX領域が中心となりますが、シンクタンク・パブリックセクターでの勤務経験から、公共政策の立案・自治体DXに関する業務も担当しています。

    コパイロツトは、課題(ti)整理や戦略立(li)案から参画し、プロジェクトの推進支援をいたします。お気軽にお問(wen)い合わせください!

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